ペットフード安全法の注意点とフードの選び方

皆様はペットフード安全法を聞いたことはありますか?
これを聞くとペットフードは法律によって守られているからどれを選んでも安心だと思われるかもしれませんがその考え方は危険です。
説明していきますのでご覧ください。

ペットフード安全法とは

大まかな流れ
正式名称『愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律』です。
平成21年(2009年)6月1日から施行されました。
きっかけは平成19年(2007年)3月にアメリカで販売された一部のペットフードを食べた犬猫が大量に死んでしまった事件でした。これを受け同年8月から農林水産省と環境省が合同で協議を開始し施行されたという流れです。
この大量死の原因は『メラミン』という物質が製造過程で使用され動物達が摂取したためです。
この法律により、ペットフードの輸入・製造・販売に基準や制限を設け、悪影響を及ぼすフードは全て禁止になり、問題が発生した場合は国が業者に廃棄、回収を命令できるようになりました。(法律ができるまではペットフードに関して無法地帯に近い状態だったことに驚きです。)

具体的な内容
法律の目的
『ペットフードの輸入・製造・販売に規制を行い、安全性の確保、健康の保護、動物の愛護に寄与する』と環境省ホームページには記載されています。
方法
・平成21年(2009年)6月〜
 ペットフードの輸入・製造業者は届出る義務があります。
 輸入・製造・販売業者(小売以外)はそれぞれ輸入の記録・製造の記録・販売の記録の帳簿を作成し備え付ける義務があります。
・平成21年(2009年)12月
 農林水産大臣・環境大臣が定めた成分規格・製造方法に適合していない
 犬猫のペットフードの輸入・製造・販売は禁止です。
  ①有害な物質を含む、または病原微生物に汚染されている、
   またはその疑いがある原材料の使用禁止
  ②販売用ペットフードを加熱、乾燥する際は、
   微生物を除去するのに十分な効力のある方法で行うこと
  ③プロピレングリコールは猫用の販売用ペットフードには使用禁止
・平成22年12月〜
 販売される犬猫のペットフードには下記表示が義務付けられます。
 (12月1日以前になされたものは対象外)
  ①名称
  ②原材料名(原則は添加物なども全て)
  ③賞味期限
  ④製造業者などの名称と住所
  ⑤原産国名
万が一、有害物質などが混入したペットフードが流通した場合の対処
・農林水産大臣・環境大臣が輸入・製造・販売業者に廃棄・回収などの措置命令ができます。
・農林水産大臣・環境大臣は独立行政法人農林水産消費安全技術センターに情報収集や立入検査などを代行させることができます。

読んで頂くとお分かりのように
ペットフード安全法で保護されるのは犬猫のペットフードであり、他の動物たちのペットフードは対象外です。すなわち2022年2月現在でも、犬猫以外のペットフードにはペットフード安全法で引っかかるような有害物質が使用されている可能性があるということです。このことを皆様にどうか知って頂きたく今回のテーマにしました。

また商品には原産国名の表記が義務付けられましたが、これは最終加工工程が完了した国であるということに注意しましょう。原材料の産地や加工場が海外のものでも、それを仕入れ国内で加工すれば国産と表示できます。犬猫のペットフードも例外ではありません。国産表記だからと言って、全行程を国内でやっていると思わないようにしましょう。

ペットフードの選び方

『よく食べる、食いつきがいい』だから『体にいい、健康にいい』
これは全く大間違いです。ペットフードメーカーはペットが食べてくれなければ話にならないので様々な方法で『食いつき』をよくし、熱心に研究します。全てのメーカーがペットのために最適なフードをつくるなら、どれをとっても安心できますが、あくまで商売です。健康を度外視し、食いつきや利益を重視したものも当然あります。

どうすれば正しく選べるのでしょうか?
ここでは以下3点を強くおすすめします。

表示義務項目が正しく表示してある商品を選ぶ
ペットフード安全法により犬猫ペットフードには『ペットフードの名称原材料賞味期限製造業者などの名称と住所原産国』が必ず表示されるようになりました。犬猫以外のペットフードにはその義務がないので必ずしも全ては表示されてないかもしれません。
ですがペットの健康を左右させるのは皆様が選ぶフードですので、最低限、上の5点が表示されたものを選びましょう
原材料表示があれば、栄養バランスや健康上の影響などを自分で調べて判断できます。
製造業者、輸入業者、販売業者が表示されていればフードの品質に責任を持つことになるのでいい加減な管理はできません。万が一トラブルがあれば遠慮なくクレームを入れましょう。

原材料の名前と正体を知る
原材料を確認しても、表示されている材料がどういうものか分からないと判断できないと思います。
例えばホミニーフィード、ビートパルプ、〇〇ミール、などペットフードには多くみられますが、どういうものなのか説明できますか?製造・加工方法や体への影響などまで説明できれば判断できます。

ペットの動物が自然界で本来食べるもの理解し、それに準じた商品を選ぶ
ペットの動物にとって消化吸収が難しく栄養にならないものが含まれていれば、偏った栄養バランスになり病気の原因になります。病気は日々の蓄積の結果です。適していないフードを食べた後、すぐに体調が悪くなることは稀で、大半はしばらく平然とします。このタイムラグが厄介ですので、健康被害のリスクを下げたり、早期対処するためにもペットの動物が本来食べているものを理解し、食性に準じたフードを選びましょう

これら3点を念頭にペットフードを選べば、動物の種類に関係なく最適なペットフードを選べるようになります。また製造・輸入・販売業者を調べ、扱う商品や事業内容などを知ることで、ペットフードに対する考え方や会社のスタンスなどもある程度想像できます。

プレミアムペットフードとは
メーカーはペットフードの価格相場の範囲内で、『実現させたい効能、必要なコスト、会社の利益』のバランスを考えながら商品開発します。
会社の利益を考えず、ペットの健康と飼い主のお財布事情などを重視した場合、高コスト・低利益になります。これでは会社の継続が難しいので継続するには高コスト・高利益になり相場からは高めの価格帯になるしかないのです。そういうペットフードは総じてプレミアムペットフードと呼ばれることが多いです。
プレミアムペットフードは総じて健康意識が高い。値段は高めですが安い粗悪なフードを与え続け、
将来早くに病気になり治療費や薬代、手術費、ケア用品費などが必要になる可能性を考えれば、
長く健康的に病院いらずの生活ができるように、毎日のフードに投資をする方が幸せではないかと思います。(プレミアムフードが100%病気にならないというわけではなく、リスク軽減につながるという意味です。)
ただし、プレミアムフードなら安全でしょという消費者が持つ安易なイメージを利用して、名前のみプレミアムフードで中身は伴ってない商品もありますのでご注意ください。
プレミアムフードを選ぶにしても、やはり原材料チェックは必須です。
原材料とその影響をしっかりと理解しておきましょう。

長い文章でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
今後ともペット社会に貢献する情報を発信してきますのでよろしくお願いします。

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